まだ9時だったというのに
東京都立中央図書館には、調べ物でちょくちょく出掛けます。この図書館は、パソコンの利用が可能なコンセント完備の席もあるし無線LANが用意されているなど、今時の図書館です。さて、この中央図書館ですが有栖川宮記念公園という公園の中にあります。麻布や広尾のまっただなかにあるくせに公園内という環境のおかげで、非常に静かで近辺の騒音も届きません。昼間は公園の緑が戸外にいっぱいです。夜は、都心とは思えないほどに、周囲は暗くなります。
今日初めて閉館間際の9時近くまでいました。7時を過ぎる頃になると、勤め帰りに何かの勉強でやって来る、そんな風情の人を除けば人の姿が極端に少なくなります。ただでさえ静かな図書館が、ますます静かになります。深夜のような、そんな錯角をしてもおかしくないような館内の空気です。図書館を出ると、冬らしい風がまっていました。地下鉄の駅に向けて、申しわけ程度の街頭しかない暗い公園の中を歩いていくとますます深夜のような気分になります。
そして、公園出口から街へ抜けます。都立中央図書館という不思議な空間に僕は引きずり込まれていたのかも知れません。現実に引き戻された感覚を持ちました。あたりは、師走で賑わう騒々しい夜9時過ぎの麻布でした。