トヨタからキヤノン
キヤノンの社長が交代しました。これまでの御手洗氏は経団連の会長に就任するというのは、既報で知っていましたが、トヨタのトップの次はキヤノンのトップ。やはり経団連の舵取りは、勝ち組が行うということでしょう。キヤノンの新社長に就任したのは、内田恒二氏。カメラ開発センター所長などを務めてこられた、技術畑の方。一時落ち込んでいたカメラ事業を開発サイドから復活させた功労者ということです。技術屋さんがトップに座ることができる環境にある会社は強い、そんな印象を持っている僕ですが、ニュースでは御手洗氏が「会社の拡大期には技術屋にまかせたい」という趣旨の発言をされたそうです。
内田氏のコメントにも興味を惹かれました。カメラ事業から始まったキヤノンも、電卓、コピー機、ファクシミリと様々な事業を展開して発展してきたわけですが、その成長過程を「時代にあった新しい技術を取り入れて、その上に複合技術で新しい事業を組み立ててきた」と言われています。そして、こうした手法には技術の目利きが必要とのこと。「既成の会社をM&Aで買ってきて売上を伸ばすのは、事務屋でもできる」と結んでいます。こうした手法は、極めて日本的なものかも知れません。M&Aをただ感情的に否定するような発言はよく耳にしますし、あまり感心できませんが、なぜか内田氏の発言には重みが感じられてしまったのです。デジカメ、特にDSLRでは世界一のメーカーにキヤノンを押し上げた人だけのことはあるということでしょう。