僕とニコン
昨晩のTVのニュースで一報を知りましたが、ニコンが銀塩カメラからの事実上の撤退をすることになりました。来るべき時が来たのかな、それが素直な印象です。僕自身最近では銀塩カメラを使うことがなくなっているので、寂しいとか残念とかそういった感情をこのニュースから受けることはありません。
僕はキヤノンユーザーですが、かつてはニコンユーザーでした。初めて買った一眼レフカメラは、FAです。その他にF3、F4、F801などを使っていました。最初に買ったFAとF3は、とても好きなカメラでした。FAに関していえば、プログラムAEの確かさがとても気に入っていました。当時はまだまだマニュアル露出が当たり前の時代でしたが、FAのプログラムAEは信頼に当たる精度を持っていました。基本的には単体露出計を使って撮影していましたが、露出に困った時FAのプログラムAEはまず間違いない仕事をしてくれたものです。そんなわけで、頑強で連射がきくF3とFAを使い分けていたのです。
そんなFAでしたが、ある時撮影中に事故に遭ってしまい全損になります。代替えとして買ったカメラがF801でした。FAを使っていた僕は当然、進化したAEに期待していたのですが、使ってみてビックリです。その後、F4も購入しましたが、両機共にプログラムAEの精度、使用感共にFAよりも下のレベルだったのです。僕は当時単体露出計を使って検証テストをやりましたので、間違いありません。特に当時ニコンのフラッグシップだったF4のだらしなさには呆れました。F4を購入してもメインで使うのは、F3だったのです。
そんなわけで、F4を買った頃からニコンに対して疑問を持つようになったのです。F5がでた時、まるで興味を持ちませんでした。そしてある日、キヤノンのレンズカタログを見て、そのラインナップの展開に衝撃を受けました。うまく説明できませんが、ニコンのそれと違ってとってもシステマチックといいましょうか、ラインナップが整理されているのですね。少なくともそう感じ取った僕は、スイッチを決意したのです。あくまでもFマウントに固執したニコンに対して、AF化で新しいEFレンズにしたキヤノンとの差かも知れません。
Fマウントに固執するあまりニコンが失ったものは多すぎると僕は思っています。加えて、カメラの開発に関しても先の展望を見誤っているとしか思えないと感じることが多々あります。最近で言えば、F6ですよね。わざわざ出す必要があったのか、そう思います。ちなみに最近のDSLRに関しても、ラインナップの展開がヘタだなと思ってます。そうそう、ニコンを売った時、F3の方がF4よりも高く売れたのにはビックリです。
知り合いのカメラマンでもニコンユーザーは大勢います。だから、あんまり悪口めいたことは書きたくなかったのですが、こんなに長々と書いてしまいました。そんな僕ですが、中古カメラ屋に行くとショーウインドーの中のFAをつい買いたくなる衝動と闘っています。