おせち料理の話題です
年の瀬が近づいてきました。デパートでは、お歳暮商戦が始まらんとするシーズンですが、それよりもおせち料理の商戦が活発だとか。暮れを通り越して、もうお正月の準備というわけですね。あるデパートによると、すでに今年の予約だけで、前年度比700%増だとか。ものすごい伸び率です。有名料亭やレストラン、有名シェフの作るいわゆるブランド物が人気だとかで、価格は3〜5万円、さらにその上もある。う〜〜ん、年の始めからいい贅沢ができるというわけですね。上左の写真は、伊勢丹取り扱いの吉兆東京店のおせち料理。20万5800円。鯛がまるごとだぜ。文句なくおいしそう。食べてみたいです。ある統計によると、日本国民10人に一人の割合でこうしたおせちを食べているということです。
おせち料理は、まず年内に作っておいて三が日は調理をせずに済むという保存食の意味合いがあります。そして、料理の一品一品が意味を持っています。家内安全とか、長寿、健康、金運など。それを食べることで、一年無事に過ごせるという意味合いです。僕もそれを子供の頃に聞かされました。デパートで売られる高級おせちもそうした面でも行き届いたメニューだとか。奇をてらったものは、かえって売れないということです。
こういう話題が出てくると、必ず「おせちぐらい自分の家で…」という声が聞こえてきそうです。確かにそれが正論。もっともな意見ですし、それが日本の伝統を守るってことなのでしょう。母から娘に伝わっていくその家のおせちは、家にとっての重要保護文化財であることに異論はありません。でも、多種多様な生活様式が採られる現在、それをすべての人に押しつけるような考えには全面的には賛成できません。重要なことは、こうした出来合いのものを購入しようとする人々もおせち料理を正月に食べようとしていること。出来合いでも正月の風景は保たれるわけで、それでいいじゃないかというのが、僕の意見です。さて、上右の写真のおせちは何でしょうか。2段重ねで、一の段は、お祝い御飯、田作り、松風焼、お煮しめ、お祝い最中。二の段は、サーモンのテリーヌ、野菜のガルグイユ風、オーストリッチ・ロースト、黒豆のケーキ。う〜〜ん、豪華ですね。高島屋で売られている犬用のおせち料理です。お値段は5250円也。来年は戌年です。